第Ⅰ章 総論

  1. 基本方針
  2. (1) 当院の役割
    • 新型インフルエンザ等(「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下「特措法」という)第2条第1号)が国内でまん延した場合に、当院においても、職員(業務委託会社の職員を含む)及び職員の家族が罹患して治療や看護ならびに学校の臨時休業のために勤務できない職員が多数発生することが予想される。さらに、ライフラインや物流等の社会機能も低下する可能性もある。
    • 新型インフルエンザ等流行時において、西濃地域における急性期医療を担う当院の役割を踏まえ、地域住民が安心して治療をうけられる体制を確保することを目的として、本診療継続計画を作成し、必要な対策を実施する。
    (2) 各発生段階における基本的な対応方針
    • 海外発生期及び地域発生早期においても、新型インフルエンザ等の患者が当院に受診する可能性があることを踏まえて対応する。
    • 地域感染期には西濃地域住民のため、新型インフルエンザ等の患者の外来・入院診療を行いながら、当院の診療機能の維持に努め、地域医療を担う医療機関としてその役割と責任を果たす。
    • 診療に従事する当院の職員の安全と健康に十分に配慮し、感染予防に努める。
    (3) 新型インフルエンザ等発生時に優先すべき診療業務
    • 「地域医療を担う西美濃厚生病院」の役割を鑑み、当院の診療業務を優先度に応じて3段階(A-C)に分類し、一定の水準を維持し診療を継続する。なお、流行段階に応じて適宜決定する。

    A<高い> :地域感染期でも通常時と同様に継続すべき診療業務
    B<中程度>:地域感染期には一定期間又はある程度の規模であれば縮小できる
    診療業務
    C<低い> :地域感染期には、緊急の場合を除き延期できる診療業務

  3. 本診療継続計画の策定・変更・周知について
  4. (1) 策定と変更
    • 本計画は院内のメンバーで構成する「新型インフルエンザ等に関する院内対策会議」(以下「対策会議」という。)により作成された(別紙1)。
    • 対策会議の議長は院長とし、構成員は副院長、呼吸器科部長、看護部長、事務局長、感染対策小委員会(ICT)メンバー、とする(別紙1 、メンバー表)。
    • 海外発生期以降は、最新の科学的根拠、地域の医療継続計画に基づく地域での当院の施設機能の役割分担を元に、対策会議で適宜本計画を変更する。
    (2) 西濃地域における当院の役割確認
    • 岐阜県の新型インフルエンザ等行動計画及び西濃地域の地域医療体制に関する対策会議において、当院は急性期医療の役割を担うことが確認されたことを踏まえて、未発生期、海外発生期及び地域発生早期、地域感染期の3段階を見据えた診療継続計画を策定する。
    (3) 職員への周知
    • 本計画に記載された各対応を全職員が理解し、全職員の協力の下で診療体制が構築できるよう、対策会議は研修会等の企画・実施を通じて職員に本計画を周知徹底する。
  5. 意志決定体制
  6. (1) 意志決定者
    • 新型インフルエンザ等の発生における診療体制及びその縮小等については対策会議で検討し、議長である院長が決定する。
    (2) 代理
    • 議長である院長が事故などで不在の時は、副院長がその代理を務める。
  7. 意志決定に必要な最新情報の収集・共有化
  8. (1) 情報収集部門の設置
    • 感染対策小委員会において、新型インフルエンザ等に関する情報を収集し、情報の一元化を図る。
    • 情報収集責任者は委員長とし、感染対策小委員会のメンバー及び看護部門、事務部門から専任の担当者を配置する。
    • 新型インフルエンザ等に関する疫学・流行情報については、平時より国や岐阜県の通知等や各種のホームページ情報を元に、当該疾患の診療に関する最新情報や地域での発生状況、地域の休校状況などを含めて把握する。
    • 情報入手先リスト(別紙2 )
    (2) 情報の周知
    • 収集した情報は、速やかに感染対策小委員会で共有し、職員に通知するとともに、何らかの対策行動が必要な点については、各部門の責任者が職員に周知する。
    • 対策本部の情報は各職員が逐次確認できる体制とする(例:FAXの活用等)
    • 当院に通院中の患者、地域住民に対しては、当院のホームページや当院の玄関、院内掲示版等を通じて情報提供する。

第Ⅱ章 未発生期の対応

  1. 新型インフルエンザ等発生時の診療体制確保の準備
  2. (1) 優先診療業務の決定と流行への備え
    • 新型インフルエンザ等発生時を想定して、当院の優先業務の絞り込みと見直しを行い、業務効率化を図ることのできる診療業務を検討する。
    • 当院における診療業務について優先順位を下記のように決める。
      A:
    1. 地域感染期でも通常時と同様に継続すべき疾患群に対する外来診療と入院診療(各診療科毎で検討)
    2. 救急外来
    3. 緊急時の手術
    4. 重症者の他院からの受入れ
    5. 透析診療
    6. B:
    7. 地域感染期にはある程度診療を制限できる疾患群に対する外来診療と入院診療(各診療科毎検討)
    8. 在宅診療
    9. 緊急を要しない内視鏡検査等の検査
    10. C:
    11. 健診・検診・人間ドック
    12. 健康教育
    13. 院内行事(研修会、機器保守点検、患者会の開催など)
    14. その他
    (2) 診療に確保できる人員と対応能力の評価(別紙3)
    • 地域感染期においても出勤可能な職員数について各部署や病棟で検討する(別紙4、5参照)。
    • 新型インフルエンザ等発生時の優先診療業務方針(第Ⅱ章1(1))に基づき、可能な範囲で以下の項目について職員数の見積もりを行う。
    • 通常の診療継続に必要な職員の数:
      業務代行者がいない診療科・部門等の把握を含む
      新型インフルエンザ等の診療対応に必要な職員の数: 新型インフルエンザ等の診療が可能な医師数、人工呼吸器管理のできる職員数、電話によるトリアージの教育を受けた職員数(看護職・事務職数等)
    • 職員が不足した場合の応援体制と応援要請のタイミングについて、先に定めた優先順位(第Ⅱ章1(1))に基づき、それぞれの診療部門での対処方針を検討する。
    (3) 入院可能病床数と人工呼吸器の稼働状況(別紙3)
    • 地域における当院の役割を鑑みて、当院で新型インフルエンザ等の入院診療継続に必要な病床数、人工呼吸器数などを見積もり、リストを作成する
    • 新型インフルエンザ等患者の入院に備えた入院可能病床数を、新型インフルエンザ等の患者の入院が必要な場合は、1階病棟-177号(個室)、2階病棟-277号(個室)、3階病棟-377号(個室)を新型インフルエンザ等患者用の病棟とし、最大3名まで受け入れることとする。
    (4) 連絡網の整備
    • 各部門の連絡体制・連絡網を整備し、流行時の出勤可否に関連する情報のリストを各部門で作成し、総務課に提出する。
    • 院内の連絡体制(別紙4)。
    • 各職員(非常勤含む)の通勤経路の一覧(別紙5)
    (5) その他の準備
     
      ①外来診療対応能力の確認
    • 患者からの電話に対応できる回線の数やファックス、外来診療に必要な資材(パーテーションや採痰ブース等)について地域感染期を想定して十分な数や機能が維持できるか検討しておく。
    • 入り口、待合室・診察室において新型インフルエンザ等の患者とその他の患者とを可能な限り時間的・空間的に分離するなどの対策を検討しておき、併せて必要な施設改修・機器整備を行っておく。
     ②検査部門
    • 新型インフルエンザ等発生時の各検査の需要について、AからCの診療業務に従って必要数や優先度を作成する。
    • 検査キットの在庫数の確認、各流行時期に応じた必要な準備を行う。
    ③委託業者との連携
    • 病院に出入りする委託業者の把握及び複数の委託業者との連携方法について検討する。
  3. 感染対策の充実
  4. (1) 感染予防対策マニュアルの整備
    • 通常時の院内感染対策の徹底と発生時における外来・入院診療等が効率的に運用できるように、既存の院内感染予防対策マニュアルを活用し、新型インフルエンザ等に対応できるよう整備する。
    • マニュアルは見直しを行い、改訂する。
    (2) 教育と訓練
    • 新型インフルエンザ等の発生時に何よりも守るべきは患者及び地域住民であることを認識し、患者の安全確保と職員の危機意識の向上に必要な研修を感染対策小委員会が中心となって企画し、定期的に実施する。
      研修内容としては、院内感染対策の基本、新型インフルエンザ等に対する基礎知識、個人防護具の適切な使用法、新型インフルエンザ等患者に対する対応方法(外来受診者)、自己の健康と安全の確保方法等
    • 診療継続計画に基づく訓練を実施し、その結果を持って見直しを行い、実践的な計画となるよう随時更新する。
    (3) 特定接種への登録
    • 院長は、病院が特定接種の登録事業者になる場合は、所定の手続きを行い、厚生労働省へ登録する。
  5. 在庫管理
    • 実施している医薬品・診療材料等の在庫管理に加え、当院の医薬品・医療資材取り扱い業者と連携し、新型インフルエンザ等発生時の必須医薬品、感染対策用品のリストを作成し、年間/月間使用見込みや入手方法等を検討しておく(別紙6)。
    • 医薬品:抗インフルエンザウイルス薬、インフルエンザ迅速診断キット、抗菌薬等
    • 感染対策用品:マスク、手袋、ガウン、ゴーグル、手指消毒剤等

第Ⅲ章 海外発生期以降の対応

  1. 対策本部
  2. (1) 対策本部の設置
    • 当院は新型インフルエンザ等の海外発生期後、対策本部を設置する。
    (2) 組織構成
    • 対策本部の本部長は院長とし、構成員は、副院長、呼吸器科部長、事務局長、看護部長、感染対策小委員会(ICT)メンバー及び、必要と認める者とする(別紙1)。
    (3) メンバーの招集
    • 対策本部メンバーの招集は院長とする。院長が事故・欠勤等により招集できない場合は、次の順に代理者が招集する。
      第1順位:副院長、第2順位:事務局長、第3順位:看護部長
    (4) 業務・議題
    • 第一回対策本部会議の議題は以下とする
    • 組織体制の確認
    • 新型インフルエンザ等の疫学・流行情報と国、県、西濃保健所等からの指示確認
    • 患者(外来・入院)への対応方針(空間的分離策、診療体制チーム等)
    • 職員への対応方針
    • 医薬品及び医療機器等の必要な物品資機材の確認
    • 外部機関との連絡体制の確認 等
  3. 患者への対応
  4. (1) 外来診療 [海外発生期から地域発生早期]
     
      <新型インフルエンザ等が疑われる患者への対応>
    • 当院の全般的な診療体制については、当院のホームページ、掲示物やポスター等で地域住民に周知する。
    • 院内感染拡大防止のため、受診者の時間的・空間的分離対策について検討し、職員に周知するとともに、当院での受診の流れ(入り口を分ける)など来院者向けにわかりやすく院内の入り口に掲示する。
    • 新型インフルエンザ等の疑い患者は必要により地域で帰国者・接触者外来を開設している病院を紹介することとする。
    • 新型インフルエンザ等に感染している可能性が高いと考えられる患者を診療した場合は西濃保健所に連絡し、対応について確認する。

    <通常受診している患者への対応>
     ① 地域感染期を想定した準備
    • 平時より外来通院している患者について、振り分け方針を決定し、各科毎に受診の必要性をランク付けする。その際、各診療科で以下の疾患群別にA~Cの対応疾患の目安をつけ、診療が継続できるような体制を確保する。
      A<高い>の診療業務に該当する疾患、病態:早急な措置を要する患者
      B<中程度>の診療業務に該当する疾患、病態:A群とC群の中間の患者
      C<低い>の診療業務に該当する疾患、病態:予定入院、予定手術でひと月程度の猶予がある患者
    • 慢性疾患患者をリストアップし、(a)従来通りの頻度で診療すべき患者、(b)地域感染期において受け入れ能力を調整する必要が生じた際に診療間隔を延期できる患者、に区分する。
    • 対策会議は流行状況に応じて長期処方を行う方針を決定し、外来担当医師に周知し、受診回数を減らす努力を開始する。

    [地域感染期]
     <全体方針>
    • 新型インフルエンザ等の患者の診療を行う。重症度が高い患者については、大学病院・大垣市民病院等に相談し対応方針を決めておく。
    • 外来人員を「新型インフルエンザ等診療担当チーム」「通常診療担当チーム」に分けて対応する。
    • チームの設置時期と構成員については対策本部が決定する。
    • 通常の院内感染対策に加え、予め検討されていた新型インフルエンザ等の患者とその他の患者とを可能な限り時間的・空間的に分離するなどの対策を確実に行う。

     <新型インフルエンザ等の患者への対応>

       ① 受付
    • 電話で受診の打診を受けた場合、軽症者はできるかぎり病病連携、病診連携により地域の開業医などへの受診を勧める。
    • 病診連携病院から当院受診の連絡を受けた場合、受診する時刻と受診入り口、来院や受診方法を伝える。

       ② 診療
    • 診察は新型インフルエンザ等診療担当チームが行う。
    • 新型インフルエンザ等の患者の専門外来を設置する。
    • 感染対策チームの指示に従い、診察の順序、職員が装備する個人防護具の選択、受付と待合室の時間的空間的分離を行う。
    • 多数の患者が予想される場合は受診の流れの見直しを行う。
    • 患者の状態により、自宅待機・診療・入院の可否の判断をする。受入可能病床数に応じて、入院の可否を判断する。

       ③ 処方
    • 新型インフルエンザ等が疑われる患者への処方と服薬指導を行う場所を通常の患者と空間的に区分する。処方量が増加する場合は卸業者とも連携し、効率的な処方方法を検討する。

    <通常受診している患者への対応>
    • 当院は、地域感染期にも、新型インフルエンザ等が疑われる患者以外の定期通院患者への医療提供を確保する。

      ① 受付
    • 継続受診している患者の急性期は通常診療とするが、定期受診については長期処方などにより受診者数を減らす努力を行う。
    • 在宅診療に変更できる患者は、在宅診療に切り替え、できる限り受診しなくても診療が行える対応法を検討する。

      ② 診療
    • 診察は「通常診療担当チーム」が行う。

      ③ 処方
    • 継続受診している患者を電話による診療でインフルエンザと診断した場合には、ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方を検討する。
    • かかりつけの慢性疾患患者に対して医薬品が必要な場合、電話による診療でファクシミリ処方を検討する。

    (2) 入院診療

    [海外発生期から地域発生早期]
    • 新型インフルエンザ等患者の入院時の種々の対応方法(食事、排泄、清掃、リネン、面会方針など)の詳細について、対策本部で検討し周知する。
    • 地域感染期で新型インフルエンザの入院患者が増加することを想定し、縮小できる診療業務について、対策本部で検討し、決定事項を院内に周知する。
    • 面会の制限について検討する。
    <新型インフルエンザ等が疑われる患者への対応>
    • 原則、発生早期には新型インフルエンザ等の疑い/確定例の入院治療は行わない。
    • 入院治療が必要な患者については、保健所に報告し指示に従う。
    • 入院中の患者が新型インフルエンザ等に感染した疑いがある場合は、病室を転室し、対策本部の指示をあおぎつつ、西濃保健所に連絡する。
    <一般入院患者への対応>
    • 空き病床を常に5~10名分確保できるように努める。
    • 現在の入院患者の状態を評価し、退院可能な患者については退院を促す。

    [地域感染期]
    <全体方針>
    • 入院対応人員を「新型インフルエンザ等診療担当チーム」「通常診療担当チーム」の2つに分けて対応する。
    • 「新型インフルエンザ等診療担当チーム」は事前の訓練を受けた者から構成する。
    • 「支援チーム」は①患者と直接、間接的に接する放射線技師・検査技師等、②患者と接触の可能性のある事務員、看護助手、清掃員等とし、新型インフルエンザ等の患者への診療支援や入院療養に関わる支援を行う。
    • チームの設置と構成員については対策本部が決定する。
    • 対策本部は、職員欠勤状況や地域での流行状況から、最小人数で運営できる病棟管理体制を検討する。
    • 新型インフルエンザ等の患者の入院に必要な医薬品、感染対策用品、医療器材を試算し、前室・病室での必要物品の準備、病室の必要物品、輸液ポンプ等のリストを感染対策チームの指示のもと準備する。
    • 面会は基本的に制限する。

    <新型インフルエンザ等の患者への対応>
    • 当院では新型インフルエンザ疑いで入院治療を要する場合、受け入れる。しかし、人工呼吸器管理を必要とする患者の受け入れ能力が不足した場合、また対応が困難な重症患者は基幹病院等に搬送する。
    • 入院患者が一定数を超えた場合、新型インフルエンザ等専用の病棟を設定し、新型インフルエンザ等の入院患者とそれ以外の疾患の患者とを空間的に離し、院内感染対策に十分配慮する。
    • 新型インフルエンザ等の入院患者数を定期的に把握し、西濃保健所に報告する。

    <一般入院患者への対応>
    • 新型インフルエンザ等の患者数が大幅に増加した場合にも対応できるよう、原則として待機可能な入院や手術を控え、重症者は入院、軽症者は在宅療養に振り分ける。

    (3) 外来・入院以外の重要診療(救急診療、透析診療、緊急入院等)

    [海外発生期から地域発生早期]
    • すべての段階において通常通りの診療を維持する。


    [地域感染期]
    • 対策本部の指示に従う。   
      例:救急診療は基本的に維持する。
      例:透析診療は基本的に維持するが、新規受け入れは中止する。透析診療を中止せざるを得ない状況になった時は他病院に対応を依頼する。

    (4) 検査部門 [海外発生期から地域発生早期]

    <新型インフルエンザ等の患者への対応>
    • 新型インフルエンザ等の疑い患者全数にPCR検査が必要とされることから、保健所と調整をはかり、検体容器及び輸送容器の準備、検体の採取、保健所への輸送(保健所職員が○○地方健衛生研究所に移送)などの体制を整える。
    • 新型インフルエンザ等の疑い患者がMRIやCT検査室を利用する際には、利用後の消毒の方法、担当者の個人防護具の選択、時間的空間的分離策を検討のうえ、利用方針を協議しておく。
      ※ なお、原則、患者は「帰国者・接触者外来」を受診するため、例外的な対応である。
    • 検査試薬などの在庫を定期的に確認し、必要最低限の保管数として、不要な在庫を持たない。

    [地域感染期]
    • 対策本部の指示に従う。

    (5) 在宅診療部門

    [海外発生期から地域発生早期]
    • 新型インフルエンザ等流行時には在宅診療を強化、充実して、外来・入院診療などの医療需要を減らす方針とする。

    [地域感染期]
    • 在宅診療を強化充実する。

    (6) 薬剤部門・物品管理部門

    [海外発生期から地域発生早期]

     ① 在庫管理の見直し
    • 新型インフルエンザ等の発生後、医薬品の在庫を見直し、必要な物品を確保する。(別紙6)

     ② 委託業者との連携
    • 事務部門と連携し、新型インフルエンザ等対策に必要な医薬品、医療材料等の物品管理業務を委託している会社等を通じて、確保する(別紙8、9)。

    [地域感染期]
    • 対策本部の指示に従い、在庫管理、委託業者との連携が現状でよいか再検討する。
  5. 職員への対応
  6. (1) 職員体制の見直し

     状況により検討する

    [海外発生期から地域発生早期]
     ① 職員連絡網、通勤経路の見直し(別紙4、5)。
    • 海外発生期以降、職員連絡網、通勤経路などを見直す。
    ② 職員体制の見直し
    • 地域発生期以降の診療機能維持のため、職員の児の学校の臨時休校・要支援者発生時等の職員欠勤時対応について、現在の職員配置状況を検討する。
    • 地域発生早期以降、地域の流行状況や重症患者の割合に応じて検討される優先診療業務にしたがって(別紙3)、当院の職員体制を見直す。
    • 現在の人員で最大限の能力が発揮できるよう、緊急を要しない業務の延期を検討する。
    [地域感染期]
     ① 職員出勤状況の確認
    • 職員の出勤状況を確認する。
      各部署のミーティングで来週の予定、代替者の必要性、診療内容の変更を検討する。
     ②欠勤者増加の際の対応
    • 原則として欠勤率が増えたとしても、当院は対応可能な職員数で診療を継続する方針とする。しかし、対策本部において、優先業務が院内の職員のみでは対応できないと判断された場合は、地域医師会や関連大学からの派遣医師など応援依頼を検討する。
    • 欠勤率が40%(目安)を超えた場合は、対策本部で検討し、地域から臨時職員を募集・登録及び各職員の当該状況下における勤務継続に関する意思確認を開始する。
    (2) 職員の感染対策

     ① 標準予防策、感染経路別予防策の徹底
    • 職員は手指衛生をはじめとして標準予防策を基本とした適切な感染予防対策を行い、感染予防には万全を期す。
    • 新型インフルエンザ等の感染経路に応じた(a)飛沫感染対策、(2)接触感染対策などの感染経路別予防策を徹底する。
    ② 個人防護具の準備と教育
    • 職員が新型インフルエンザ等の感染が疑われる患者と接触する場合には、職業感染予防のためその診療・処置状況に合わせた個人防護具を選択し、適切に使用する。
    • 職員研修に必要な内容、対象者、時期、研修方法については感染対策小委員会が検討し、対策本部が決定する。
    抗インフルエンザウイルス薬とワクチン接種
    • 対策本部は、十分な感染防止策を行わずに患者に濃厚接触した者に、必要に応じて抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行う。また特定接種開始後速やかに、対象職員にワクチン接種を行う。
     ④ハイリスク職員への対応
    • 事務部門(総務課)は妊婦、慢性心疾患、COPD、免疫抑制剤を服用中等、感染症罹患時には重症化する可能性のある職員のリストを作成し、当該職員へ周知と対応方法について感染対策小委員会と検討する。
     ⑤職員感染時の対応
    • 職員等が新型インフルエンザ等に感染したと疑われる場合は、速やかに所属長等に連絡することとする。本人が感染した場合は原則として病気休暇(有給休暇利用の対応)として取り扱う。家族等が感染した場合で本人への感染が強く疑われる場合は、院長の判断で職務に専念する義務の免除を行う。
    • 新型インフルエンザ等に罹患した職員の復帰のタイミングは別途(又は流行した新型インフルエンザ等に応じて都度検討)定める。
  7. 地域/通院患者への情報周知
  8. (1)通院患者への情報周知

     ① 啓発・広報
    • 当院においては流行期に対応した啓発・広報活動を行う。特に、新型インフルエンザ等に罹患した際の療養方法、手指衛生、咳エチケット、感染対策用品(マスク、手袋)の使い方等、感染拡大防止のために個人や家庭ができることについて、通院患者に周知する。
    • 当院における新型インフルエンザ等患者の診療方針を院内ポスター、張り紙等により周知する。
  9. 総務機能の維持
  10. (1)事務部門(総務機能)
    • 各種物品の調達や医療機器の整備・修繕、一般電話対応等、診療業務を継続する上で必要な業務を優先的に行う。
    • 臨時職員、業務委託会社の職員も含めた全職員及びその家族の健康状況等を把握するとともに、予防接種等、職員の業務継続に必要なことを優先的に実施する。
    (2)委託業者との連携
    • 医事、給食、警備、清掃、物品管理、リネンなど委託している業務について、診療継続計画に基づき当該業務委託業者と打ち合わせを行う。
    • 医療廃棄物の保存場所と感染性廃棄物の処理の方法を確認する。
    (3)業者連絡先リスト
    • 医薬品取扱業者リスト(別紙8)
    • 委託業者(清掃、廃棄物処理、警備、施設メンテナンス等)リスト(別紙9)

第Ⅳ章 地域における連携体制

(1) 地域の連絡会議に参加
  • 都道府県の新型インフルエンザ等に関する行動計画及び西濃地域の地域医療体制に関する対策会議において当院の役割を確認し、西濃保健所、病病連携病院、転院可能な長期療養施設などと協力して地域医療に貢献する。そのため、未発生期、海外発生期以降においても必要な地域連携を行う。
  • 未発生期に西濃保健所/養老郡医師会等の地域医療体制に関する対策会議に参加し、地域における各医療機関の外来・入院に関する方針、当院の役割を連携病院と確認する。
  • あらかじめ地域感染期以降の入院可能病床数を協議する。
  • 在宅診療の地域での支援体制についても確認する。
  • 新型インフルエンザ等を想定した病診連携、病病連携の構築を進める。
(2) 病診連携等
  • 連携機関リスト(行政機関等)(別紙10)。
  • 地域発生早期には、新型インフルエンザ等疑い患者については西濃保健所の報告のうえ、指示を仰ぐ。
  • 地域感染期には、軽症者の診察を積極的に受け入れるが、重症患者や入院が必要な患者紹介の方法、病床の空き状況、受け入れ状況を大垣市民病院・西濃保健所と確認する。
(3) その他
  • 本診療継続計画の一覧表を作成し活用する(別紙11)。発生段階に応じた診療継続計画が現状でよいか、適宜見直す。
以上


策定 平成26年 3月31日

改定     年  月  日

 

別紙

別紙1  新型インフルエンザ等に関する院内対策会議メンバー
別紙2  新型インフルエンザ等感染症に関する情報確認先リスト
別紙3  当院の受け入れ能力の事前評価
別紙4  院内連絡網(自宅電話番号、携帯電話番号等)
別紙5  市内在住職員のリスト
別紙6  新型インフルエンザ等発生時の必須医薬品及び感染対策用品リスト
別紙7  当院における時間的・空間的分離対策(案)
別紙8  医薬品・医療材料等取り扱い業者リスト
別紙9  委託業者リスト(清掃、廃棄物処理、警備、施設メンテナンス等)
別紙10 連携機関リスト(行政機関・医療機関等)
別紙11 発生段階に応じた診療継続計画及び地域連携等の概要

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